- 2016-10-29
- Business
好調県経済の追い風で雇用環境も改善されてはいるが
沖縄県の有効求人倍率が、本土復帰後はじめて1倍を超え、完全失業率も4.6%と前年比0.5ポイント改善するなど、沖縄の雇用状況はかなり改善してきており、新規求人数は約9,700人余、有効求人数は約26,000人と、好調の観光業をはじめ幅広い業種で沖縄の労働市場に明るい状況が続いている。
しかし、データで見る限り沖縄の雇用状況は大幅に改善され歓迎すべき状況にも関わらず、それに若干疑問を呈しつつ、まったく独自のアプローチで雇用のベストマッチングを追求する、スマホに特化した求人サイト「スマホWORK」を運営するファンシップ株式会社の小宮仁至社長に話を伺った。
「当時、私がちょうど就職活動していた時期はいわゆる就職氷河期のまっただ中で、周りの誰もが暗い表情をしていたんです。笑ってる奴なんてひとりもいない。それが今、劇的に雇用状況がよくなってきているにも関わらず、沖縄の若者の顔を見ていると、なぜだか、その頃の私達と同じような表情をしていることに気が付いたんです。」
求人側と求職側を取り持つサービス産業においては、データはもちろんマインド的な動向の方が気になるという。
「県内の大卒学生のうち、就活ラインに乗っていわゆる大手企業に就職できるのは約2割です。では残りの8割はダメなのかというと、決してそうでは無く、やはり成長したいとか社会で活躍したいという願望は強く、むしろ、その残り8割の方にこそ中小企業に必要な人材、平たく言うとよく働く奴がいるんですよ。それなりの場を与え納得しさえすれば実によく働く。そういう者こそが、中小企業にとっての成長の戦力になる。」
なぜ人材と企業のミスマッチが起こるのだろう
「県内には求人雑誌が3紙ほどありますが、一時に比べてページ数だけはものすごく増えていて、中には300ページを超えているものもあります。私は仕事柄、それらを手に取って見るわけなんですが、正直、読む気が失せるんですよ(笑)。どれもこれも同じような文言が並んで、企業側からの一方通行なんですね。なのでもっとやれることがあるんじゃないかとか、そしてメディアはあくまでもツールであって、採用というのは人と人がリアルに接する世界なんで、まず会う場をいかに用意することを考えました。メディアとリアルの両輪ですね。」
好調に見えて、実はまだまだ厳しい状況の求職者側の立場で考えられるのは、自らが厳しい就職氷河期を経験してきたからなのだろう。そして、当時大学生だった頃にやっていたイベントを今再び行っているのだという。
就職活動だって相思相愛がいい
「就活ってその本質は恋愛みたいなものじゃないですか。一方的な片思いより、絶対、相思相愛のほうがいい。そこで合同説明会とかもあのピリピリした空気感じゃなくて、もっと合コンのような感じでやったほうが、お互い本音でわかりあえるんじゃないかとね。そうすることで少しでもミスマッチを少なくできればと、始めたのがレンアイ型合同企業説明会なんです。」
学生もいわゆるリクルートスーツではなく授業帰りの私服で、会場もたとえば居酒屋のような雰囲気の場所で、机を挟んだ堅苦しい対面型ではなく車座に並んで座る。また企業の担当者側にも仕事の話よりも好きな女性の話や趣味の話をさせるという。そうすることで徐々に打ち解け質問などもしやすくなり、互いをより深く理解しえるというような、これまでの常識にとらわれないスタイルで行うのがレンアイ型合同企業説明会である。
ライブハウスでの開催も
「相席居酒屋ならぬ、相席社長というのもやってみました(笑)また就活フレアといって、ライブハウスでイベントのような形式で行う合同説明会も行っています。とかく企業側が学生を査定する説明会などとは逆で、企業側がステージ上の演者になり学生は観客、つまり学生が企業を査定するのです。当然、演者は観客に受けないといけないので企業側も必死に工夫するわけです。」
なるほどこれも、互いをより深く理解する為の場の提供としての新しいスタイルだ。
学生の中に入り込んで本音を引き出す。ひいては企業側からの信頼も高まる
「レンアイ型採用コンサルティング説明会では、ラブレターを書かせるというワークがあるんですが、面白いのは男性はひたすら好きだという想いと自己アピールに終始するのに比べ、女性は、グルメなあなたの為にお料理を頑張りますとか、相手の好みをふまえた上で自分をアピールする。つまり女性はマーケットインの発想で、男性はプロダクトアウトなんですね(笑)。」
求職者の側に立てばこそ、そういったことも見えてくるということだろう。そして学生たちの本音を引き出し、それをもとに企業に対しても説得力のある提案ができる。これを繰り返すうち、互いからの信頼が高まっていくという循環が生まれている。
こうして次々と新しい試みを展開する小宮社長は、先頃、那覇商工会議所エキスパートバンク登録専門家に人材採用に関するコンサルタントとして登録されたそう。就職、雇用についてそこまでリアルな見解をもって分析が出来るエキスパートは、今のところ県内に、そうはいないのだろう。そして11月中旬には求人企業に対しての自主セミナーも開催する。県経済の好調さを背景に人手不足となりつつある状況に、より確実に優秀な人材を確保するための秘策を伝授するという。
「企業は人なり」経営の神様、松下幸之助の言葉を引用するまでもなく、人と人のベストマッチングが企業の浮沈の鍵を握るこれからの時代、ファンシップ株式会社、小宮社長の次の一手から目が離せない。
沖縄の求人サイトならスマホWORK
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