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お客様の喜ぶ笑顔が見たい!とんがって起業した“流しの靴磨き”!

お洒落は足元から・・・。言い古された言葉である。
しかし、これの本当の意味を知ってる人はどれほどいるだろうか。人が人と対面しその姿を見る時には、大抵の場合、まずは顔から始まって順に下に向かって最後に足元を見るというのが普通であろう。髪型よし、顔よし、ネクタイよし、パンツよし・・・となって最後に見るのが足元なのであるが、そこで、その靴がダサいものであったり、ボロボロに痛んでいたり汚れていたりしたら、それまでの好印象が全て台無しになるということなのである。

たとえばレストランでのフルコース料理に置き換えると、メインまでとても美味しかったのに、あろうことか最後のデザートが不味かったり、明らかにオマケ的なものだったら?逆にコース料理そのものはまあまあであったとしても、最後のデザートがとびきり美味しく手の込んだものだったら?どちらのお店が美味しかったという印象として残るだろうか。
つまり、足元のお洒落というのはそういうもので、初対面での印象だけでなく、後々までその人のイメージを印象づける重要なポイントなのである。この最後のツメを怠ってはならない。
とはいえ、いつも外国製の何十万円もする靴でなければならないということでは無い。むしろやりすぎは嫌みになってしまう。無論、素材や仕立てが良いものに越したことは無いが、値段の差はピンキリであれ、靴は他のファッションアイテムに比べて手入れの善し悪しでその印象はまるで違ったものになるアイテムでもある。たとえそれがスニーカーであったとしてもだ。

話を戻すと、手入れの行き届いた靴を履く人は、最後まで手を抜かない誠実で堅実な人であるというイメージに繋がるということだ。

さて前置きが長くなったが、今回お話を伺ったのは、そんな足元のお洒落に特化し、「俺、靴磨きます。」をキャッチフレーズになんと“靴磨き” を専門として起業した北中城村在住の仲程秀之さん36歳だ。

 


ひとつの出会いが、人生を変えた

ーーーまず、これまでの経歴をお聞かせください。
「高校卒業後、上京して美術関係の専門学校へ進んでその道を志したのですが、すぐに自分の才能の無さを感じて、きっぱり諦めたんです。そして卒業後、特にやりたいことがわからないまま、そのまま東京でアパレル関連の職に就きました。」

ーーーそこが革靴との出会いだったのですか。
「いえ、元々、革靴などにまったく興味はなかったんです。ただ、そこではファッション全般と、接客や店舗づくりやディスプレイなどを学びました。その後、26歳で沖縄に戻り、やはりアパレル関係の店を何件かお手伝いしながら、29歳の時に前職のショッピングセンターに就職したところ、男性靴コーナーに配属されました。」

ーーー日本人だけでなく外国人も多く訪れる老舗のショッピングセンターですね。目の肥えたお客様が集まり、一流の品揃えが魅力の・・・。
「そうです。そこで革靴について学び始めたのですが、とても柔軟な考え方の経営者のもとで、どうしたらもっとお客様に喜ばれるかを考えて始めたのが、靴磨きというアフターサービスだったんです。」

ーーーなるほど。それが今の原点だと。
「はい。最初はシューケア商品は店の隅で売る程度のもので、使い方の知識等もほとんどなくて、手探りでのスタートだったのですが、靴を磨いてピカピカにしてお返しすると、これ以上ない笑顔で、とても喜んでくれるんですね。
それで自分で専門書なども購入して靴磨きの勉強を始めた頃、福岡の百貨店に研修で行くことになったんです。そこで靴ケア用品の老舗メーカーの、レジェンド的なシューケアマイスターの方と知り合って、とても感銘を受け、いよいよ本格的に靴磨きを学び始めたんです。」

ーーー人生を変える出会いだったのですね。
「今から思えばそうですね。それから店舗でも“俺、靴磨きます”と題したイベントを定期的に開いたり、日常的に顧客の靴の手入れをするようになっていきました。」


靴がきれいになると、人は笑顔になる

それから、夢中になって靴磨きを極めていく仲程氏は、靴磨きという行為に対して、とてもたくさんの人が興味を持ってるんだということに意を強くする。たとえばFacebookのグループに「靴磨き倶楽部」というものがあるが、そこにはなんと2,000人を超えるメンバーが参加していたり、インスタグラムで“靴磨き”というタグで検索すると、ピカピカに磨き上げられた靴やブラッシングをしているシーンや、シューケア商品や道具など、膨大な数の写真にヒットする。

 

ーーー靴磨きを生業として起業しようと決意されたのは。
「はい、まず、自分がそれが大好きなことはもちろんですが、とにかく靴がきれいになると人は笑顔になるんだ!と思ったことですね。とても喜んでいただけるし、感謝される。どんな仕事でもこれは大事なことじゃないですか。」

−−−人から感謝される仕事というのは素敵ですね。それにしても“靴磨き”が事業として成り立つか、不安はあったのでは?
「もちろん、それはありました。でも地元の信用金庫が開催する創業支援のスクールに参加して経営の勉強をしたり、妻も沖縄市中央にある企業・創業を支援する“スタートアップ・カフェコザ”に通ってプログラミングの勉強やホームページ作成の知識をつけながら、後押ししてくれたので、思い切って独立を決意しました。幸い、創業間もないにも関わらず、たくさんの方からの問合せや反響を頂いて、有り難い限りです。」

※ STARTUP CAFE KOZA → http://startup-cafe.okinawa/

 

ーーー素晴らしいスタートを切れた訳ですね。
「はい、賛同してくれる友達やそこからのご縁で、メディアにも取り上げていただいたりして、何とかスタートを切れました。」

 

−−−靴磨きの楽しいところってなんですか?
「革靴ってその素材や製法やデザインだけではなく、一足一足全部違うんです。履き方にもよるし。そこが面白いんですが、それぞれにベストな磨き方を施しながら、磨き上げる工程は無心になれますね。とにかく良いものをお手入れしながら、長く大切に履いていただきたいと思います。」

 

ーーーそうですね。良い靴は大切に手入れしながら履くことで、最低でも10年は履けますものね。で、今は自宅を作業場にされていますが、お客様とはどのようなカタチで?
「お持込みいただく場合もありますし、こちらから出張することもあります。週末とかには、知り合いのバーやショップでの靴磨きイベントを開いたりもします。その時は、お客様の目の前で行いますので皆様、興味津々ですね。今、こういうやり方を僕は“流しの靴磨き”と呼んでいますが(笑)」

ーーー “流しの靴磨き”ですか。それは言い得て妙ですね!

「色々考えて、今のところは、その言い方がいちばんピッタリくるのかなって(笑)。どういうカタチがベストなのか、スタートしたばかりでまだまだ試行錯誤ですけどね」

 

■ 靴磨きの基本工程

① ブラシで土やほこりを落とす

② ローションで汚れや古いクリーム、ワックスを落とす

③ 乳化性クリームで革に栄養を与える

④ ブラシで磨いてクリームを馴染ませる

⑤ 乾拭きで仕上げて完了


とんがって、好きなことを極めることが唯一の突破口

起業して、幸いそれが順調に軌道に乗ってくると、とかく規模の拡大を図ったり、事業の範囲を広げたりしたくなるものだが、仲程氏はそれを否定する。ネットの発達やSNSの浸透などで、ここまで細分化された情報を誰もが簡単に発信でき、また手に入れることができる時代において、単なる差別化などという言葉では捉えきれないほどの、専門性、先鋭化、平たく言うととんがり方が重要になってくるという。潤沢な資金のある大企業やそれに準ずる事業でもない限り、弱者の兵法ではないが、そこを狙うしか無い。むしろそこにこそ突破口があるのかもしれない。

ーーー靴磨き専門ということですが、靴に関して、他にもいろんな問合せがあるのでは?
「はい。それはよくあります。特に修理は出来るのかという問合せは多いですね。でも、私は靴を作ることも修理もしません。磨き一本です。靴製作は製作の、修理は修理のプロがいます。」

ーーーなるほど。それはなにか戦略というかポリシーのようなもの?
「それほど大層なものではないですけれど、今、情報過多の時代にあって、いかに“とんがれる”かというのが大事なんじゃないかと。この仕事が好きだからこそ、それを極める。その姿に共感して同期して人が集まる、そんな時代のような気がするんですね。例えば飲食業なんかでも、そこでしか味わえないとか、他所には絶対無いというサービスを貫いてるところが人を集めているじゃないですか。北谷にあるレストランカフェがあって、お店の内装からメニューまで、知り合いなんですがそこのマスターのこだわりというか、“とんがり方”が凄いんです。でも、そこ、いつも超満員なんですよ。」

ーーーたしかに、全国チェーンの一律サービスで、どこでも味わえるというところは苦戦して、逆にそういった希少性を売りにしているお店がにぎわっている気がします。
「まさにSNS時代の戦略ですよね。ただ、その原動力は、それを作ったり取組んだりする本人が、とにかくそれが好きで、好きで、楽しくてしょうがないということなのだと思います。」

ーーーおっしゃるとおりですね。今もこうしてお話を伺ってる最中も、靴を磨く手がまったく止まらない(笑)実に楽しそうにやってらっしゃる。
「すみません。これあと1時間後にお届けしないといけないので…(苦笑)。」

ーーーこちらこそ、お仕事中にお邪魔して申し訳ありません。では最後にこのお仕事を通じてでもいいし、小誌 WEBマガジンの読者に、何かアドバイスや伝えたいことがあれば聞かせて下さい。

「“好きこそ物の上手なれ”って言う言葉があるじゃないですか。一方、“好きなだけで飯は喰えない”とも言われますよね。どちらも正しいとは思うんです。でも、一度でもいいからなんでも、とことん極めてみるのもいいと思うんです。東京でアパレルをやってた時の上司が、手取り足取り教えてくれるタイプではなくて、勝手に付いて来いというタイプの方で。それがある日、いきなり店舗のディスプレイを任されたことがあったのですが、もちろんやり方もわからないし自信も無いし、当然ダメ出しの連続で。でもお前今まで何を見ていたんだと言われるのがいやで、何度も何度もやり直してるうちにようやくOKが出て。その時に、とことんやってみるということの意味と、それが好きなことなら、もう寝る間も惜しんで出来るんだということを知りました。そうすれば、自分が何が本当に好きかというものも見つかると思うし、だからこそ頑張れるんだと思います。その上司には今さらながら感謝してますよ。」

ーーー仕事は仕事、好きなことは好きなこととして割り切れる人は器用な人なんですよね。でも多くの人がそうはいかなくて、仕事と好きなことのギャップに悩み、苦しみ、いつしか笑顔を忘れてしまうという・・・。それは悲しいことですね。
「そう思います。私もスタートしたばかりで、この先どうなるかわかりませんが、いつも笑顔であるために、好きなことをとことん突き詰めていきたいと思います。」

ーーー私もそうありたいものです。今日はどうもありがとうございました。


職人というと寡黙で少し頑固で取っ付きにくいという勝手なイメージがあるが、まったくそんなことのない仲程氏。終始、笑顔で饒舌に靴磨きブラシの手を休めることなく語ってくれた。それが好きで好きで仕方が無い。楽しくて楽しくて仕方がない様子の氏は職人というよりも、まるで、おしゃべり好きのそば屋の兄にぃ、あるいは気のいい飲み屋のマスターかのよう。しかしながら、起業家としてのプライドやビジネスマンとしての作法もわきまえた、とても気持ちの良い男である。とにかく、誰もやらないであろう“靴磨き”というニッチな業態に“とんがって”起業した仲程氏の今後に注目したいところだ。

 

シューシャインファクトリーでは、一足1,500円〜※ から受け付けている。読者の皆様も、一度、プロの手でピカピカに磨き上げられた靴で足元をビシッと決めてみてはどうだろうか。取引先や会社の女子社員からのウケはもちろん、その日1日、気分が上がること請け合いだ!

※靴の種類、汚れ、傷み具合、仕上げのオプションなどで価格は変わります。詳しくは下記まで。

 

SHOE SHINE FACTORYへのお問合せは → 電話:090-8412-1572
ホームページ:http://www.ssf-okinawa.com/
Facebookページ:http://www.facebook.com/shoeshineokinawa

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