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沖縄お笑い界に風は吹いているか?FEC山城智二社長の挑戦!

今年も沖縄に、国際映画祭の季節がやってくる。あの吉本興業が沖縄に本格的に進出して始まったこの映画祭も今年ではや9年目となる。昨年からは「島ぜんぶでお〜きな祭」というタイトルがつき、映画祭でありながら、お笑いやエンターテイメント的要素の強い沖縄の定番のイベント、春の風物詩として定着してきた。開催期間中は、各地の会場やその周辺に東京や大阪からテレビ・ラジオでおなじみの有名芸人が大挙して沖縄に押し寄せ、それを楽しみにしている県民も多いことだろう。

“よしもと”の進出が沖縄のお笑い界を活性化

しかし、当時の沖縄のお笑い界にとっては、巨大エンターテイメント企業である“よしもと”の沖縄進出という、いわば黒船の来襲に戦々恐々だったに違いない。そして約10年がたった今、沖縄のお笑い界がその圧倒的なパワーに席巻され淘汰されてしまったかというと、幸い、そうとはならなかった。そこはイチャリバチョーデー(出会えば兄弟)、ゆいまーるの島ならではというか、結果的にはそれなりにうまく共存し、むしろ良い意味で活性化され、お笑いのレベルも随分と上がったようにみえる。そんな中、結果オーライではなく、ほっと胸を撫で下ろすのでもなく、この追い風にのって新しい沖縄発のエンターテイメントを創ろうと果敢に挑戦し始めている企業がある。それが今回お邪魔した「沖縄のお笑い芸能事務所FECオフィス」である。

 

お笑い芸能事務所の新たな挑戦

ベテランの漫才コンビ、仲座健太・金城博之のハンサムや、お笑い米軍基地のまーちゃんこと小波津正光など、県民になじみの芸人の多くを擁するFECオフィスが、お笑い芸能事務所でありながら、なんとこのほど、音楽レーベルを立ち上げたという。

まずは、そのあたりから、自らも芸人、タレント俳優として活躍する山城智二社長と、新しく立ち上げたプロジェクトのリーダーでもある音楽事業部責任者の比嘉大祐さんにお話を伺った。

ご存知、山城智二社長(右)とさすが音楽事業部、パンキッシュな出で立ちの比嘉大祐さん(左)

 

今、沖縄のお笑い界は“よしもと”の進出もあり、とても活性化しています。「O-1グランプリ」や「お笑いバイアスロン」などといったお笑いバトルの番組を沖縄のメディアが積極的に制作するようになり、業界全体には追い風が吹いているように思える。」と語る山城社長。そして「良い意味での競争も出てきてお笑いのレベルも随分上がって来たのと同時に、お客さんや視聴者の目も肥えてきていると感じる」とも。さらにファン層の低年齢化も進み、従来のやり方だけでは、置いていかれるのではないかという危機感も強く感じていたという。

 

若手芸人自らがSNSで観客動員する姿にこれだ!と。

そんな中、テレビ・ラジオなど既存のメディアがまだまだ影響力を持つ沖縄にもかかわらず、そのメディアへの露出が、まだ、ほとんどない所属の若手芸人達が、自ら企画するゲリラライブにSNSなどを活用し、女子中・高校生をはじめ多くの若者を動員する状況に、意を固めたのが今回の音楽レーベル立ち上げであった。沖縄初のダンス&ミュージック+お笑いユニットの新ジャンルだ。

レーベル名は、「Qwacchi-Noiz(クヮッチーノイズ)」(クヮッチーとは沖縄方言で“ご馳走”の意味)といい、雑音にしてはご馳走だなと思える遊び心いっぱいの楽曲作りを目指し、沖縄をカチャー(沖縄方言でかき混ぜるの意)して、元気にしていく存在になりたいというのがコンセプトである。またFECオフィスの事務所がある蔡温橋(さいおんばし)周辺は、センスの良いカフェやファッションセレクトショップ、レコード店などが集まる那覇市内でもおしゃれな若者が集まる界隈であり、「蔡温橋系」と呼ばれる都市型志向の音楽レーベルになりたいと比嘉さんは熱く語る。

 

第1弾アーティストは若手コンビ3組によるユニット

第1弾アーティストは、所属若手芸人の中から、「KYデンジャラス」「クーターシンカ」「凸凹トラベリング」の3組で構成されるユニット『ハイアップロー』。彼らは、ルールにこだわらないスタイルで漫才ネタだけではなくラップやダンスも絡めて、笑いを取り、かつビジュアルの良さも活かし、若いファン層のさらなる獲得を狙っている。サザンスタイルの読者層よりは少し年齢層が違うかもしれないが、若者が元気になるのは歓迎である。ぜひ期待したい。

お笑いコンビ3組のユニットながらイケメンぞろい!すでに女子中・高生のファンクラブも

ハイテンションの「ハイ」に、大騒ぎと言う意味の「アップロー」大騒ぎな奴らと言う意味のユニット名 2017年2月22日配信

 

動画はこちら↓

 

第2弾アーティストとしては、すでに年明けから県内メディアに登場し人気急上昇中のキャラクター『護得久栄唱昇(ごえくえいしょう)』が、自身の作詞作曲に與那覇 徹(沖縄民謡歌手の若手第一人者)を迎え、3月下旬に楽曲をリリースする予定もある。

さらにFEC保有の音楽コンテンツ「大兼のぞみ with DJレイコ」等も活用し、良い意味で沖縄県民はもちろん県内県外のファンに向けて、ハラハラドキドキするようなエンターテイメントを発信。お笑い事務所だからこそ出来るウィットにとんだ音楽制作、オリジナリティ溢れる音楽コンテンツを創造していきたいと熱く語る。

第2弾アーティスト、ただ今人気急上昇中の護得久栄昇先生

 

これから沖縄のお笑いはどこへ向かうのか

さて、前述のように“よしもと”の本格進出やメディアの積極的取り組みなど、追い風が吹く沖縄のお笑い業界ではあるが、山城智二社長はこの状況に喜んでばかりとはいえないと語る。沖縄出身の全国レベルのメジャー芸人というとガレッジセール、スリムクラブと思い浮かぶのであるが、実は、その次が出てこないのが実情である。一方、音楽業界や女優、モデルの業界では、いわゆる「沖縄枠」と言っても良い、確固たるポジションが築かれている。安室奈美恵やBeginしかり、仲間由紀恵や満島ひかり、最近ではガッキーこと新垣結衣や実力派女優としての二階堂ふみなど、大ブレイク中だ。そういえばレイチェルなんてのもいるな。

テレビで見る芸人の顔ではなく、経営者の顔が垣間見える

 

県内のお笑い界の活況は歓迎すべきことだが、それが県内だけでの活況にとどまり、それぞれの芸人がそこで満足してしまうことに危惧を覚えるという。例えば県内のお笑いコンテストで連覇を果たし、県内ローカルで番組を持ったり、県内企業のCMに引っ張りだこのコンビや、方言ネタで人気を博しているピン芸人など、かなり面白いが、辛辣ながら(関西出身の筆者からの視点としてご容赦願いたいが)中央にはそのレベルの芸人はごろごろいる。

“よしもと”のような全国規模の大企業ではない、沖縄の一芸能事務所の経営者として、また自身も沖縄の先輩芸人として、いかにすべきか悩みは尽きないという。芸人とは商品ではあるが、同時に生身の人間でありそれぞれの人生を預かる立場である。下手に外に出して潰れてしまう者もいる。逆に伸び盛りなのに、全国に打って出るタイミングを見逃してしまうかもしれない。社長とは孤独なものだ。

ただ、だからといって逡巡し手をこまねいてる訳ではなく、今回の新しい取り組みに果敢にチャレンジする姿勢には感銘を受けるのも確かである。風は吹いている。ローカル局とは言え、その気になりつつある沖縄のメディアや業界全体を巻き込みながら、「Made in ウチナー」にこだわり、沖縄初から沖縄発へ!果敢に、そしてさすが芸人らしくワハハと笑って突き進む山城智二社長の挑戦に、小誌も微力ながら応援したい。

 

FECオフィス オフィシャルホームページはこちら→ http://www.fec.okinawa

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