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第2回:「世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?」

ファッションやスタイルにこだわるお洒落な人もいいし、多趣味なライフスタイルをこなす人もいいけれど、まずは、何より仕事をスマートにこなす男でなければ・・・。

 

今月紹介する本は、仕事をバリバリこなす、誰もが憧れる世界有数の企業で働くエリートたちが、仕事で大切にしていることをまとめた本「世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?」。

 

この本は2013年に出版され、テレビや新聞で話題となり、20万部も突破したベストセラー。著者はゴールドマン・サックス、ハーバード・ビジネス・スクール、マッキンゼー&カンパニーなど世界最高峰の企業で経験を積み、それらの世界のエリートの仕事術を学んだ戸塚隆将氏。

そんな戸塚氏が様々な一流企業を渡り歩いて感じたのは、ハイレベルな仕事のテクニックなどを要するのではなく、「仕事の基本」に徹することが一番大事なのだということです。そんな仕事の基本を大きく分けるとポイントは4つ。

 

① 人との「つながり」を大切にする

②「自分磨き」を一生継続する

③「日々の成果出し」に強くこだわる

④「世界的な視野」を常に意識する

 

まず一番は「人との繋がり」。

その人脈も、「利害関係を越えた繋がり」を信じること。仕事上ではどうしても最初は利害関係の上でお互いが繋がることが多いのですが、それもまずは相手の何かを信じることだという。

かのスティーブ・ジョブズはスピーチで、「先を見越して点を繋ぐことはできない。振り返ってみて、はじめて点をつなぐことができる。だから将来何らかの形で点がつながると信じることだ。そのためには、何かを信じることだ。直観、運命、人生、カルマ、何であれ」と述べています。

 

振り返ると、どの友人関係も出会った当時はどう発展するかは想像もつかなかったものばかりです。そのためには相手に感謝して付き合い、信じることが重要なのだということですね。家族や夫婦関係においても、何があっても最後まで相手を信じることで絆が生まれ、それが強いものとなっていく。仕事上での人間関係も、利害関係だけではなく、それと同じような気持ちを持つことが大事だということですね。

2つ目は「自分磨き」。

自分の「内面」と「外見」を磨くということ。それには心に余裕を持つことで、行動にも余裕が生まれ、結果的に思考が“ポジティブ思考“になっていく。その心に余裕を持つ意識を保ち続けるために、例えばドアを開けて建物に入る時や狭い道路を歩く時などなるべく人に道を譲る心がけをしてみる。そんな小さなことからも心に余裕が生まれてくることに繋がっていくのです。

他には、「すみません」という言葉よりも「ありがとう」を伝えることを心がけてみる。

日本人は特に謙虚な姿勢を尊重するが故、感謝の気持ちを伝えるのにも「すみません」ということが多い。本来なら「申し訳ない」という意味であって、英語で言えば”I’m sorry“。軽々しく謝っている姿は変ですよね。これでは、本当のありがとうの気持ちがなかなか伝わりきれないでしょうし、自分自身もマイナスな感情になっていくのかもしれません。曖昧な言葉は便宜がいいですが、はっきりとした意思を伝えることが相手にも自分自身にも大切です。

3つ目は「日々の成果」。

成果を出すために、大切にする基本は「時間」の使い方。その中でもまずは、約束の時間を守ること。時間を守れる人は信頼されます。基本をしっかりやる人への安心感であり、根底にある自己規律や意識の高さに対する尊敬にも繋がります。作業時間の割り振りについても、朝一の時間は頭が最も冴える時間のため、集中した仕事やアイデア出しを優先し、メール処理などは午後の生産性の下がる時間帯に取り組んでいく。そして引き受けた仕事は後回しにせず、5分間限定ですぐやる。すぐやることで効率は格段に上がるのです。

そして「会社の会議」でとにかく貢献する意識を持つこと。会議で発言しないのは「欠席」と同じです。会議に望むための準備をしっかりと行い、自分なりの貢献を考えるのです。それが自分の存在感を高め、日々の成果に繋がっていきます。

そして4つ目は「世界」に打って出ること。

自分自身が世界で通用するキャリアを高め、最終的には世界を視野に入れ打って出ていく。将来の中長期の幹となる目標をしっかりと定めることで、気持ちも奮い立たせてくれることにも繋がります。仕事においても「日本代表」として戦っていく。そんな心がけが必要なのです。

スポーツでも趣味でも、そして仕事においても、何をするにしても一番重要なことは「基本」に徹することなのですね。本書からそのことにあらためて気付かされることでしょう。また、これからキャリアアップを目指す20代~30代のビジネスパーソンには本書にあるこの基本を備えれば、大きな武器になっていくはずです。

 

男なら、仕事が出来ることが何よりも格好いい――。世界のエリートが大事にしている仕事の考え方を是非覗いてみませんか。

 

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「世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?」 戸塚隆将 著   朝日新聞出版

 

<筆者:森本浩平プロフィール>

1974年生まれ。1999年ジュンク堂書店に入社。翌年、神戸住吉店の店長として赴任。
その後、梅田ヒルトンプラザ店(2005年)、那覇店(2009年)の初代店長を務める。
2013年から大阪に異動するも約2年半を経て再び那覇店へ戻る。RBCラジオ『団塊
花盛り』(月-金21時~)に毎週木曜日に出演中。

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