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第5回:内地の歩き方

今年ももうすぐ4月。

初めての社会人となる方や、転勤の辞令がおりて新生活がスタートする方も多くおられるのではないでしょうか。

ましてやそれが沖縄から内地、それぞれの環境がガラッと変わるとなると、気候も違えば文化もかなり違うので、それはもう一大事です。

私も関西から沖縄に来る前は、沖縄あるあるを自称“沖縄通“の知人にかなり聞いて予習をしたのですが、今振り返れば、日本人がいまだに外国人から「男性は皆、ちょんまげをしている」と思われているほど驚きの沖縄情報の数々が・・すべてカルチャーショックの連続でした。

聞かされたのは、

「そこら中にハブが歩いているので厳重注意!」

8年経つが、いまだ野生のハブに遭遇したことがない・・。それよりもゴキブリが大量に道端にいることのほうが衝撃でありました・・。

 

「毎日のようにゴーヤーチャンプルーを食べる!なので食生活に慣れるのは一苦労」

毎日琉球料理を食べる訳ではなく・・(実際は内地から友だちが来たときぐらいか)日々の食生活は内地とほとんど変わりません。

 

「沖縄の夜は危険!特に新都心は治安が悪いので住むところではない」

内地と比べてかなり治安もよく、新都心は一番に地代が高いほどの、住むのに便利な人気エリアのはずなのですが・・。

 

「沖縄県民になると、”沖縄手帳“が1部支給される」 配布物ではありません。売り物です・・。

 

などなど・・

実際、住んでみれば「コンビニのおにぎりを温める」とか、「“ちゃんぽん”が麺ではない」など細かい文化の違いはたくさんあったのですが(笑)、私はこんな誤った情報を元に沖縄に来たのでありました。

 

内地から沖縄に移住するのは、まるで異国に行くような、そのぐらいの感覚があるのかもしれません。

 

また逆に、沖縄の方が内地に移り住むのにも、想像を絶するほどの寒い冬や、まるでお祭りかのような都会の人混みに揉まれ、慣れるまでは時間を要し、あまりの文化の違いにホームシックにでもなってしまいかねません。

でも安心してください!そんなこれから内地に行く沖縄の方に、心強~い1冊を紹介します!

今月紹介する本は、沖縄の出版社「ボーダーインク」から昨年12月に出版された「内地の歩き方」。

かなり詳しい細かい情報が満載のガイド本「地球の歩き方」を彷彿とさせるタイトルが興味津々。

著者は沖縄生まれ、沖縄育ちの吉戸三貴さんという女性なのですが、東京にはたのしいことばかりが待っている!と18歳のときに意気揚々と上京、でも実際は様々な文化の違いに打ちのめされたのでした。

 

本書では、そんな内地における様々なシーンでの気をつけないといけない“内地のルール“をマニュアル的にわかり易く紹介。沖縄と内地の“些細な”違いが浮き彫りになり、ナイチャーの自分にも”沖縄あるある“が面白過ぎました(笑)。

 

例えば、「飲み会」のルール。

ここではオーダーの手順が紹介されるのですが、まずドリンクを注文し、ドリンクが来るまでにフードを決め、皆の満腹度を確かめながら追加注文していくとあり、沖縄でもあまり変わらないように見えますが・・

ここでのポイントは「炭水化物は最初に頼まない」こと、です!

沖縄ではいきなりパスタとかが出てくることは珍しくありません。内地では炭水化物は〆で頼むものという絶対的な暗黙のルールが存在しますね。いきなり頼めばかなり非難されてしまうでしょう。お腹が空いていれば最初からでもいいのでは?と思うのですが、内地ではそうはいきません。もちろんデザートも最後です。

次に、沖縄ではあまり傘をささないことが多い「雨傘」。

沖縄に来てからというもの、雨に濡れながら歩いている人を多く見かけたり、内地では多くいる“折りたたみ傘”を常時携帯する人に至っては、私は一度も出会ったことがないほどです。

ここでは雨傘は、自分のためではなく、人のために傘を携帯しておきましょう、という内地特有の考え方が存在します。知人と一緒にいるときに雨が降りだし、自分だけ傘がなければ、その知人は傘を差しづらくなり、気まずい空気になってしまうのです。そんな状況を作らないために傘は必需品です。

 

その他にも、内地での「住まい探し」や、うちなータイムに代表される「時間を守るコツ」、適度な距離感を保った「内地琉・コミュニケーションのとり方」など、この本にはこれから内地で生活をスタートするうちなーんちゅに必ずお薦めしたいアドバイスが満載です!

内地の“律し合う文化”、沖縄の“許し合う文化”、どちらも素晴らしいのではあるのですが、皆さんはどちらがお好みでしょうか?

これから沖縄を出て内地で活躍されるうちなーんちゅの皆さま、この本でストレスフリーな内地生活を手に入れて力を出し切ってください!是非オススメの1冊です。

 

「内地の歩き方」 吉戸三貴 著  ボーダーインク 1620円(税込)

 

<筆者:森本浩平プロフィール>

1974年生まれ。1999年ジュンク堂書店に入社。翌年、神戸住吉店の店長として赴任。
その後、梅田ヒルトンプラザ店(2005年)、那覇店(2009年)の初代店長を務める。
2013年から大阪に異動するも約2年半を経て再び那覇店へ戻る。RBCラジオ『団塊
花盛り』(月-金21時~)に毎週木曜日に出演中。

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