- 2017-1-10
- Column, ジュンク森本のこれを読むべし!
温かい飲みものを手に持つと、目の前の人を温かい人だと感じ、冷たい飲みものを手に持つと、
目の前の人を冷たい人だと感じてしまう。
例えば、ホットコーヒーを持った時と、アイスコーヒーを持った時では、どちらのほうが「やさしい人」だと感じますか?そんなことを聞かれても、コーヒーを持っただけで相手の印象が変わるわけがないだろう、とお叱りを受けるかもしれません。
実は、ホットコーヒーを持った時のほうが相手のことをやさしい人だと感じるのです。
これは人に備わっている「五感」が「無意識」的に人の判断や行動に関わっているという、心理学の研究によるもの。五感によって「温かさ」を感じたことによって、相手の印象にも無意識に「温かい」という影響をもたらしているらしい。ということは、自分が下してきた重要な判断は、その場の飲み物の温かさによって左右されていたのかも?
重要な交渉ごとの相手には、用意する飲み物にも注意する必要があるということですね。
自分の意思で判断や行動したはずのことが、実は「視覚」が、「触覚」が、「嗅覚」が、あなたの思考に大きな影響を及ぼしているという、そんな最先端の心理学をまとめた本「赤を身につけるとなぜもてるのか?」を今月は紹介します。
著者は18歳のときにイスラエル国防軍に在籍し、基地という特殊な場所で勤務し続けた経験から、「環境が思考や判断に与える影響」について興味を持ち、現在はテルアビブ大学で心理学の研究を続けている、タルマ・ローベルさん。
この著者も、以前に自身が所有していたアパートを売る際に、しぶとく交渉し少しでも高く売ると断固とした姿勢で臨んだはずの交渉の席で、相手の提示した額があまりにも安かったにもかかわらず、自分の意思とは裏腹にあっさりと10分程度で承諾してしまい、あとで激しく後悔したのだとか。その要因とはまさしく、そのときに出された温かい「紅茶」だったのだそう。
そんな「温たかさ」によってもたらされる心理とは反対に、「冷たい」場合にも影響があり、自身が「孤独」を感じると体が冷たく感じることも。
例えばパーティ会場でのひとコマ。大勢の中でなぜかコートや上着を着たまま、ポツリとたそがれている人がよくいたりしますが、それは知り合いが誰もいないことで孤独感を感じ、心理的に体が冷たく感じて、着ている上着を脱げなくなってしまっているのです。これからはそんな人をパーティで見かけたら、話しかければ喜んでもらえるのかもしれませんね。
「温かさ」による心理の次に紹介するのは、本のタイトルにもある「色」によるもの。
特に「赤」という色は心理学的にはさまざまな影響をもたらすというのです。赤は心のもっとも奥深い感情に関わる色で、もっともパワーや攻撃性を感じ、人はこの色に反射的に反応してしまう。失敗への恐怖心をも呼び起こし、人に回避行動まで取らせてしまう傾向があることまでわかっているらしい。信号も「止まれ」が赤なのは納得であります。
一転、この赤を今度は本人自身が身につけると、自信が生まれてパフォーマンスが高まります。ということは赤の服を着ると、相手は支配性を感じて魅力的に見え、自分自身は自信にみなぎる精神状態に持っていくことができるのだそう。ここ一番の社交の場や商談の場では、なによりも赤を身につけて臨むより手はないですね。
本書では他にも、座る椅子の”硬さ“で交渉が変わるのだという「手触り」の心理、心に重荷を感じていると体も重くなってしまう「重さ」の心理、店内に漂わせる香りで購買意欲が変わるという「匂い」の心理など、驚きの五感による心理学が満載です。
科学的に裏付けされた、最先端の研究が明らかにした無意識の世界。
これらを操れるようになれば、様々なシーンにおいても有利に物ごとが進められるようになるはず。
仕事にも、恋愛にも、是非お試しあれ。
<筆者:森本浩平プロフィール>
1974年生まれ。1999年ジュンク堂書店に入社。翌年、神戸住吉店の店長として赴任。
その後、梅田ヒルトンプラザ店(2005年)、那覇店(2009年)の初代店長を務める。
2013年から大阪に異動するも約2年半を経て再び那覇店へ戻る。RBCラジオ『団塊
花盛り』(月-金21時~)に毎週木曜日に出演中。
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