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ウチナーメンズよ、デパートに行こう!

沖縄にもスーツの季節がやってきた
長かった沖縄の夏もそろそろ終わり、衣替えの季節である。県外に比べて約2ヶ月遅れでやってくる実質的な沖縄のスーツシーズンの到来だ。サラッと軽くて風通しが良くて着心地もラクラクの“かりゆし”から、窮屈なスーツに変わるこの季節を、あまり好ましくなく思っている人も少なからずいる事だろう。がしかし、本来ビジネスマンのスタンダードはあくまでもスーツなのである。朝、シャワーを済ませ、髪を整え、アイロンの効いたワイシャツに袖を通し、ネクタイをきゅっと締める。そして上着を羽織って玄関を出る時、そこがまさにビジネスという戦場へ向かうスイッチが入る瞬間なのだ。だからスーツはビジネスマンにとっての戦闘服であり、戦に負けない為の装備であるから窮屈なのは当然なのである。背筋を伸ばして纏うべきものなのである。沖縄のビジネスマンだけが甘えていいはずはない。

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戦闘はその相手がライバル社の営業マンであれ、クライアントであれ、はたまた同僚や上司であれ、対峙した瞬間から始まっている。その第一印象で、互いにコイツは出来る奴かどうかの値踏みが始まり、実は勝負の趨勢はそこで決まるといっても過言ではない。ことほど左様に男のスーツ姿というのは重要なものなのだ。柄の違いこそあれ同じような「かりゆし」ウェアでいられる、ある意味、楽な季節とは違う、緊張感をもって過ごすべき季節の到来なのである。

注:筆者は決して「かりゆし」を否定するものではなく、むしろ観光産業などに従事される方々には、ぜひ「かりゆし」を積極的に取り入れもっともっと「かりゆし」を広め、「かりゆし」ならではのおしゃれや着こなしを競っていただきたいと思っている。

 

自分のサイズを知っているか

さて、スーツが窮屈なものといっても、それによって充分なパフォーマンスが発揮できず、本来の能力がスポイルされるものであっては戦闘服としての機能は果たされず、本末転倒である。では、最大のパフォーマンスを発揮でき、その第一印象で相手に圧倒的な印象を与え、優位に事を進められるスーツ姿とはどんなものか。見るからに高級そうな素材であったり、明らかにそれとわかるブランドであったり、というのも、もちろんひとつの要素ではあるが、それ以上にもっとも重要な事は何か。はっきり言おう。スーツ姿の善し悪しは、つまり出来る奴とそうでない奴の決定的な違い・・・。それは、とにかく「サイズ感である!」と断言する。どれほど高価なブランドスーツであったとしてもそれをジャストサイズで着こなせていなければ、例えて言うなら、最新鋭高性能の兵器に肝心の弾を込めていないのと同じなのである。
あなたは、自分のサイズをちゃんと知っているだろうか。ウエストサイズやSかMかLかくらいは知っていると思うが、身幅や胸囲、首回り、肩幅に袖丈・・・これらを正確に把握している人はほとんど皆無に近いのではないか。かく言う筆者も、それを空で言えるかというといささか心許ない。しばらく不摂生すれば、数ミリから数センチのサイズ変化もあるし、常に把握している訳ではない。(この自分のサイズをキープするという事についてはまた別の機会に)しかし上着の肩が落ちていたり、袖丈やパンツの丈が妙に長かったり短かったり、ワイシャツの首元がだらしなく締まっていなかったりというディティールが、結果、全体的にカッコ良くない残念なスーツ姿になってしまうのだ。
だからといって、高額なスーツをオーダーしなければならないという事ではない。まだ若く収入もそれほど高くないビジネスマンが3万円で手に入れたスーツであっても、それがぴったりジャストサイズならば、相手が何十万円もしそうなブランドスーツを纏った企業の役員や経営者クラスであっても、まったく臆する事はない。充分渡り合えるはずだ。

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ワイシャツをS/M/Lで選んではいけない

って何を言っているのだコイツは、それ以外でどうやって選べというのだ?という疑問に対する明確な答えがある。実は、それがここで言いたいことの結論なのではあるが、あっさり言ってしまうと「デパートに行こう!」ということである。沖縄にはデパートなんて、ひとつしかないじゃないか。コイツはその回し者か!というご批判はさておき、デパートにあってスーパーの衣料館やファストファッションのチェーン店にないもの。それは、ワイシャツならワイシャツ、スーツならスーツ、ネクタイならネクタイという具合にそれぞれに精通した専門のプロスタッフが居るということ。そして採寸はもちろん適確なアドバイスも含め、その客にとって最善の提案と品揃えがあるということである。デパートのワイシャツ売場をじっくり見てもらいたい。素材、色柄、シルエット、サイズの豊富さをはじめ、オーダーシャツのコーナーには裁断前の生地見本までずらりと並んだ様子はなかなかに壮観である。専門スタッフがあなたのカラダのサイズをきっちり細かく採寸してくれる。恥ずかしがる必要はない、相手は何百、何千人を相手にしてきたプロなのだから。そうして必ずあなたにぴったりの1枚を用意してくれる(極端な体型の方には例外もあるが、その場合はオーダーしましょう)。服に身体を合わすのではなく身体に服を合わすという、当たり前の事を再認識させてくれるのが「デパート」なのだ。これまでワイシャツをS/M/L(あるいは2L、3L・・・)だけで選んで買っていた人からすれば、目から鱗、驚くこと請け合いなので、一度ゆっくり見て回り、出来る事なら購入を前提に採寸してもらうことをお勧めする。

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残念な自己流ファッションから脱却するには

すでに結論を言ってしまったのであるが、つまりこれまで自分では良いと思っているのに、どうも彼女や奥様や部下の女性社員や同僚から「カッコいい♥︎」とか「素敵♥︎」とか「お主、なかなかやるな!」とか、一度も言われたことがない人は、ぜひデパートに行ってみるといい。そこでは単なる買物以上に自分を客観的に見ることができる(←いろんな意味でこれ重要)。本当に自分に似合うものを見つけられる。冗談抜きでテレビでやってるような変身ビフォー・アフターを体験できる場がある。残念な自己流ファッションからの脱却を望むなら「デパート」にいくのが一番手っ取り早い。心をオープンにして、思い切ってプロに身を委ねてみよう。きっと世界が変わるはずだ(そこまで大げさでもないが・・・)。

かつて、デパートはハレの日に家族揃ってお出かけするハレの場だった。今では郊外型の大型ショッピングセンターや様々なレジャー施設など、多くの選択肢の中でその座は安泰ではなくなってきてはいる。がしかし、やはりデパートには他にない絶対的な価値と機能、存在意義ががあるのだ。だから、本当にしつこいようだが、また筆者は決してデパートの回し者でも提灯記事を書く御用ライターでもないのだが、この衣替えの季節にこそ、ぜひとも「ウチナーメンズよ、デパートに行こう!」と声を大にして言いたいのだ。

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最後に、スタイルにこだわるということ

ボロは着てても心は錦~♪(筆者はガッツリ昭和の人です)という時代は、もはや終わっているのはご承知の通り。アメリカ大統領選のTV討論など見ればわかるように、過激な発言で反発を招いていたトランプ氏は、それを緩和しようと穏やかさを印象づけるブルー系のスーツとネクタイで(最後は劣勢を取り返そうと赤いネクタイでしたね)、かたや健康不安があると取沙汰されたクリントン氏は元気や健康を表すハツラツとした真っ赤なスーツというように。また、故スティーブ・ジョブズ氏も、いつもジーンズに黒のタートルセーターという、一見、ファッションには無頓着なように見えて、それが実は極めて深い彼なりのパーソナルブランディングに基づいてのものだったというのは有名な話。ビジネスでも政治の世界でも今やスタイルというものはとても重要なファクターとなっている。格好ばかり気にして中身が伴なっていなければダメなことは言うまでもないが、カタチから入るというのは方法論として間違いではない(ほら、空手だってまずは型からでしょ)。その人にあったベストなスタイルは、日々、磨き上げてきた中身を、さらに強力なものにするとても心強いツールになるということを最後に付け加えておきたい。

 

デパートリウボウ 

沖縄県那覇市久茂地1-1-1

http://ryubo.jp/

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