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Dear Dad・・・. 父の日に。

実は僕は靴フェチです。小誌WEBマガジンでも再三言ってる“お洒落は足元から”ということだけではなく、

どうも僕のそのフェチの原因は、幼少時の記憶が大きく影響しているのは間違いないようなのです。

 

昔々、父は靴職人でした。メーカーとかではなく、大阪の下町の生家の一角でオリジナル靴の製造を少々と、

どちらかというと靴修理を主な収入源として細々と営んでいたのです。


その頃、近所にキリスト教系の病院があり、アメリカ人の院長先生がいました。その方は身長2m近く、

体重はおそらく150kg前後はあったであろう大男で、当然ながら靴のサイズも優に30cm以上はあったでしょう。

その頃の日本では、そんなサイズの靴はそうそう売ってるはずもなく、

必然的に修理に頼らざるを得ないという訳で、父の自宅工房に頻繁に訪れるようになったのです。

 

今から思えば、その客が持ち込んでくるアメリカ製の巨大な靴はグッドイヤーウェルテッド製法の、

ゴツくて、しっかりした作りのものだったようですが、父は手先の器用さに加え、

根っからの研究熱心な物作り職人だったので独学ながらもすぐに、

その言葉の通じない客の要望に応える技を手に入れたみたいです。

それから巨人院長先生はその日本人の職人を信頼し、息子達にもとても優しく接してくれました。
クリスマスには、病院敷地内にアメリカから移設してきたのであろう暖炉のある白い洋館に、

僕たち兄弟を招いてくれ、彼のそばかすだらけの息子と娘と一緒に、キャンドルサービスをし賛美歌を歌って、

金髪碧眼の美しい奥様が手作りのブラウニーを振る舞ってくれました。

(不二家のショートケーキしか知らなかった僕たちは、少しビターな大人味のケーキに面食らったものです)



そうして、幼かった僕にとって外で遊ぶ友達がいないときは、もっぱらその父の工房が遊び場だったのです。

様々な道具や木型の造形、ツヤツヤに鞣した革の輝きや革靴そのもののシルエットとかがなんともカッコ良くて

(もちろんオモチャとして)、時間を忘れて遊んでいました。

きれいな革を器用に縫い合わせて見る見るカタチになっていく革靴の美しさにうっとりすると同時に、

魔法のようにそれを創り出す父の姿に憧れと誇らしさも感じていました。

おそらく、これが僕の靴フェチの原点なのでしょう。

 

その後、しばらくして父は靴屋を閉め、僕の遊び場は無くなりました。

でも父は高度経済成長の時代の波に乗って土木業から金属加工業へと、あくまで職人としての

職業人生を全うしました。

そして引退した今もなお、ものづくりへの興味は尽きないようで、

90歳を目前にして今は能面づくりにハマっているようです。無理しない程度に存分に楽しんでください。

 

はたして僕は、その手先の器用さや勤勉さは、どうやら受け継いでないようですが、

工業製品とメディア媒体というものの差こそあれ、何かをこしらえていく情熱だけは引き継いでるようです。
なにも親孝行できぬまま、一丁前に自らも人の親となり、

はたして自分の子供達に何かを引き継がせているのでしょうか。


 

Dear Dad.
あなたから見れば、まだまだ心配の種が尽きないどうしようもない息子でしょうが、もう少し見ていてください。

どうか、もう少し長生きしてください。

ワンコの散歩は車に気をつけて、これから大阪にも暑い夏がくるので、日差しが眩しくないよう、

洒落たじいさんに見えるよう、今年は、つばが広めのパナマハットを贈ります。気に入ってくれればいいのですが・・・。

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