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雨の日は車をみがいて

寝坊しようと思っていたのに、意に反して早起きしてしまったちょっと惜しい気分のオフの朝は、
愛車を洗車することにしている。で、そんな、ある休日。
どんよりとした空模様ではあったが、幸い予報では徐々に天気は回復し、午後には晴れ間も見えるとのこと。
よし、絶好の洗車日和だとばかり、いそいそと近くの洗車場へ車を走らせ、
いつもの手順で車を磨き上げていく。意外と無心になって行うこの作業は、確実に僕のストレス解消になっている。

ところが、いよいよフィニッシュというところで、今日に限って(あ、いや沖縄ではよくあることか)
見事に予報は外れ、雨がぽつりぽつりと・・・。
屋内のガレージに移動する間もなく、ぴかぴかになったボンネットに、あっという間に積もっていく雨の滴。
やれやれ、なんともいえない徒労感のなか、恨めしく空を見上げ舌打ちのひとつもしたくなるのだが・・・。

いやしかし、それはよそう。
そうだ、思い出したんだ。

だいぶ昔に読んだ、五木寛之の「雨の日は車を磨いて」という短編集の一編に登場する女性の台詞。

 

「よくいるわよね。ほら、自慢の車を洗車したあとに雨に降られると舌打ちしたりするような男が。
ああいうのは絶対に女に嫌われるタイプよ。車は雨の日にこそ磨くんだわ。
ぴかぴかに磨いたボディに雨の滴が玉になって走るのって、すごくセクシーだと思わない?
雨の日に車をみがくのを嫌がる男なんて最低ね・・・」

 

これは、一人の主人公(もちろん男性)が、9台の車と9人の女性との出会いと別れを描く、
ちょっぴり切なく、ほろ苦い恋愛小説のなかのワンシーンだ。
登場するのは、アルファロメオ・ジュリエッタ・スパイダー、ボルボ、BMW、シトローエン、ジャグワー、
ポルシェ、ベンツ・・・といった車たち。そして、それぞれにふさわしい個性的で魅力的な女性たち。
ちなみに、ポルシェ編の一節である、この台詞の主はポルシェを「ポーシェ」って発音する。これがカッコいいんだな・・・。

この本を読んだのは、70年代中頃だったか、僕が運転免許取り立ての頃で時代はまさにバブル前夜。
所有する車と、助手席に乗せる女性の質がステイタスになり得ると信じて疑わなかった頃。

カローラならカローラなりの、メルセデスならメルセデスなりの・・・。

それにふさわしい女性がガールフレンドになってくれると、無邪気に思ってた。
価値観が多様化して、人生のプライオリティに多くの選択肢がある
今の時代を生きる若者にはあまりピンと来ないかもしれないが、
とにかく、そんな時代だったのである。

 

今から思えば、恥ずかしく馬鹿げた時代の思い出として普段は封印してるのだが、実はね・・・、

バブル世代としてはいまだに車に対して、そんな幻想を持っているのだよ。
鉄道のない沖縄では車は必需品で、だからこそ単なる生活道具のひとつとして捉えられがちだが、
やっぱり車は楽しいし、男が愛でる価値のあるオモチャであり続けるものなのだね。

 

さてと、せっかくなので、ぴかぴかになったボディに雨の滴が玉になって流れ去る様子を楽しみに、
西海岸か、南部の海か、いずれにせよ海沿いの道路を流しにいくとするか。

残念ながら、今、隣は空きシートだけどね・・・(涙)

 

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